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進化遺伝学:カモノハシとハリモグラのゲノムが明らかにする哺乳類の生物学的特性と進化

Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-020-03039-0

卵生哺乳類(単孔類)は獣類(有袋類および真獣類の動物)の外群である唯一の現生哺乳類で、哺乳類の進化に関する重要な知見をもたらす。今回我々は、現生単孔類の全2系統を代表するカモノハシ(Ornithorhynchus anatinus)およびハリモグラ(Tachyglossus aculeatus)の参照ゲノムを作成し、その解析を行った。カモノハシのほぼ完全なゲノムアセンブリでは、染色体のスケールにまでほぼ全てのゲノムを割り当てることができ、ゲノムの連続性および遺伝子の注釈付けが大幅に改善された。ハリモグラの塩基配列と共に、これら2種のゲノムから、単孔類のレベルと哺乳類のレベルの両方において、進化を特徴付ける祖先的および系統特異的なゲノム変化を明らかにすることができた。単孔類の性染色体複合体は、祖先において環状構造をとっていた染色体に由来するという証拠が得られた。そうした独特な染色体複合体の形成は、複数のX染色体と複数のY染色体の間の並外れて大規模な相互作用(ヒトの常染色体ホモログにも共通する)によって促進された可能性がある。さらなる比較ゲノム解析の結果、単孔類と獣類の間には、単孔類の生態学的適応の根底にある、ハプトグロビン遺伝子、泌乳遺伝子、ならびに嗅覚および味覚の化学感覚受容体遺伝子に顕著な差異が見られることが明らかになった。

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