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電子顕微鏡学:SCF–RBR E3–E3超集合体によるF-boxタンパク質標的へのユビキチン連結

Nature 590, 7847 doi: 10.1038/s41586-021-03197-9

E3リガーゼは通常、RINGやRBRのような特徴的なドメインにより分類されていて、このようなドメインは誘引された基質へユビキチンを輸送する固有の触媒機構を特定していると考えられている。しかし、ARIHファミリーに属する多くのNEDD化キュリン–RING E3リガーゼ(CRL)やRBR型E3リガーゼ(これらを合わせると全てのヒトユビキチンリガーゼのほぼ半分に当たる)は、個々に機能するよりも、E3–E3超集合体を形成することの方が多い。本論文では、SKP1–CUL1–F-box(SCF)ファミリーのCRLについて調べることにより、NEDD化SCFリガーゼとARIH1(RBR型E3リガーゼの1つ)がさまざまなF-boxタンパク質上に提示された多様な基質をユビキチン化するように共進化した仕組みを明らかにする。我々は、E3–E3ユビキチン化の各段階をクライオ電子顕微鏡法により可視化できるようにする活性ベースの化学プローブを開発し、まずE2酵素UBE2L3に連結したユビキチンが、ARIH1の触媒システインへと送られ、最終的にSCF E3リガーゼに結合した基質へのユビキチン連結が起こる各段階を可視化した。E3–E3機構では、ARIH1のユビキチンが連結した活性化部位が、F-boxタンパク質に結合した基質の近傍に置かれるので、F-boxに結合した基質で以前に報告された従来のRING E3だけが関わる機構には合わないもの(例えば、折りたたまれた構造を持つ基質や長さの限られた基質など)も処理できる。従って、この用途の広いE3–E3超集合体は、幅広いユビキチン化の基盤となっている可能性がある。

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