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構造生物学:グルココルチコイドが結合したアドヒージョン受容体GPR97–Go複合体の構造

Nature 589, 7843 doi: 10.1038/s41586-020-03083-w

接着(アドヒージョン)に関わるGタンパク質共役受容体(GPCR)群はGPCRの主要なファミリーだが、それらのリガンドの調節や構造に関して得られている知識は限られている。今回我々は、グルココルチコイドストレスホルモンが、接着に関わる典型的なGPCRであるアドヒージョンGタンパク質共役受容体G3(ADGRG3、別名GPR97)を活性化することを報告する。抗炎症薬ベクロメタゾン、あるいはステロイドホルモンであるコルチゾールに結合したGPR97–Go複合体のクライオ電子顕微鏡構造から、グルココルチコイドは膜貫通ドメイン内のポケットに結合することが明らかになった。グルココルチコイドのステロイドコアは、リガンドの結合を検知して受容体の活性化を促す「トグルスイッチ」の働きをする残基W6.53に接するように詰め込まれている。活性型のGPR97は、4残基からなるコアとHLYモチーフを用いて7回膜貫通バンドルをつなぎ留め、Gタンパク質との結合を仲介している。GPR97の細胞質側には開いた空洞があり、3つの細胞内ループ全てがそこでGoタンパク質と相互作用していて、これがGPR97の高い定常活性の一因となっている。Goタンパク質の細胞質側尾部のパルミトイル化は、GPR97との効率の良い結合に必須であることが分かったが、これは構造が解かれている他のGPCR複合体では観察されていない。今回の研究は、アドヒージョンGPCRの7回膜貫通ドメインへのリガンド結合とそれに続いて起こるGタンパク質との共役の構造基盤を示している。

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