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免疫学:Fcを最適化した抗体はウイルスの呼吸器感染に対するCD8免疫を誘導する

Nature 588, 7838 doi: 10.1038/s41586-020-2838-z

ウイルス病原体に対する抗体は、感染制御の有望な治療薬であり、それらの抗ウイルス効果にはFabとFcの両ドメインの協調した働きが必要であることが示されている。Fcドメインは、免疫系の個々の細胞上にあるさまざまな種類の受容体と結合し、ウイルスの除去とそれに続く感染細胞の殺傷を引き起こす。今回我々は、抗インフルエンザIgGモノクローナル抗体のFcを、活性化型Fcγ受容体であるFcγRIIaに選択的に結合するよう操作すると、マウスでの致死的なウイルス性呼吸器感染に対する予防や治療の能力が向上し、これには樹状細胞の成熟増加や、防御性のCD8+ T細胞応答の誘導が伴っていたことを報告する。これらの知見は、IgG抗体が、樹状細胞やT細胞の経路を選択的に活性化する際に、ウイルス感染に対して防御性の適応免疫を誘導する能力があることを示しており、呼吸器系ウイルス病原体に対する抗ウイルス効果を向上させた治療用抗体の開発に重要な意味を持つ。

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