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がん:ヒトがん細胞株の転移マップ

Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2969-2

がんによる死亡のほとんどは転移によって説明されるが、in vivoモデルが複雑であるため、大規模な転移研究は実現が困難だった。今回我々は、マウス異種移植片でヒトがん細胞株の転移能を大規模に決定できるin vivoバーコーディング戦略を報告する。我々は、この手法のロバストさ、拡張性、再現性を確認し、21種類の固形腫瘍にわたる500の細胞株に適用した。そして、器官特異的な転移のパターンを明らかにする第一世代の転移マップ(MetMap)を作製し、これらのパターンを臨床やゲノムの特徴と関連付けられるようにした。我々は、乳がん患者の主な死因である乳がんの脳転移能の分子基盤を調べることによって、MetMapの有用性を実証する。脳に転移可能な乳がんは、脂質代謝が変化しているという証拠が得られた。こうした乳がん細胞で脂質代謝を撹乱すると脳転移の発生が抑制されたことから、乳がんの治療戦略が示唆され、転移研究を支える研究資源としてのMetMapの有用性が実証された。

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