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免疫学:繊維芽細胞の過剰な活性はADAMTS4を介して肺機能を低下させる

Nature 587, 7834 doi: 10.1038/s41586-020-2877-5

重症呼吸器感染症は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こす場合がある。ARDS患者の転帰を改善させることが示された有効な薬物療法はない。宿主の炎症応答は、病原体の拡散を抑止し、最終的に病原体を除去するが、免疫病態は組織の傷害やARDSの主要な原因となる。今回我々は、呼吸器のウイルス感染が、繊維芽細胞の異なる複数活性化状態を引き起こすことを実証する。これらは、細胞外マトリックス(ECM)合成性状態、傷害応答性状態、インターフェロン応答性状態と名付けられた。我々は、傷害応答性の肺繊維芽細胞の過剰な活性は、重症インフルエンザウイルス感染時に致死的な免疫病態を促すことを示す証拠を提示する。傷害応答性の肺繊維芽細胞は、ECMリモデリング酵素(特にECMプロテアーゼであるADAMTS4)や炎症性サイトカインを産生することで、肺の微小環境を修正して、肺機能を犠牲にしてロバストな免疫細胞浸潤を促進する。ヒト参加者の3つのコホートにおいて、下気道のADAMTS4レベルは、季節性インフルエンザウイルスや鳥インフルエンザウイルスによる感染の重症度と関連していた。傷害応答性の肺繊維芽細胞のECMプロテアーゼ活性を標的とする治療薬は、重症呼吸器感染後の肺機能を維持しつつ臨床転帰を改善させる有望な手段になり得る。

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