Perspective

健康科学:LifeTimeとヨーロッパにおけるヘルスケアの細胞ベースの阻止型医療による改善

Nature 587, 7834 doi: 10.1038/s41586-020-2715-9

本論文では、複雑な疾患の発症時と進行時においてヒト細胞の追跡、理解、標的化を行い、治療に対するそれらの応答を単一細胞分解能で解析することを目的とする、LifeTimeイニシアチブについて紹介する。このミッションは、単一細胞のマルチオミクスと画像化法の開発、統合、応用に加え、人工知能、そして健康から疾患へ進行する間の患者由来実験的疾患モデルを通じて実施される。大規模な分子・臨床データセットの解析によって、分子機構が明らかになり、疾患進行の予測計算モデルが作られ、新たな薬剤標的と治療法が示されるだろう。疾患の適時検出と阻止を組み入れた倫理的かつ患者を中心とした構想は、学術界、医療機関、患者団体、健康データ管理システム、産業界を横断した相互作用を介して実現されることになる。この戦略を、がん、神経疾患、精神神経疾患、感染症、慢性炎症疾患、心血管疾患などの主要な医療的課題に単一細胞レベルで適用することで、ヨーロッパに今後10年間で細胞ベースの阻止型医療(interceptive medicine)を導入できるだろう。

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