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ゲノミクス:ヒトゲノムにおいてコヒーシンが仲介するクロマチンループの全体像

Nature 583, 7818 doi: 10.1038/s41586-020-2151-x

遠位の調節エレメント間の物理的な相互作用は、遺伝子発現の調節に重要な役割を果たしているが、このような相互作用が細胞タイプによってどの程度異なるのか、またその細胞タイプ特異的な遺伝子発現にどの程度寄与しているのかは明らかになっていない。今回我々は、ENCODE(DNAエレメントの百科事典)計画の第三段階の一環としてこれらの疑問に取り組むために、ChIA-PET(chromatin interaction analysis by paired-end tag sequencing)法を用いて、コヒーシンが仲介するクロマチンループのマッピングを行い、ENCODEの主要な細胞株を含む24種類の多様なヒト細胞タイプで遺伝子発現を解析した。その結果、全クロマチンループの28%は細胞タイプによって違いが見られ、この差異は遺伝子発現の違いとゆるやかに相関しており、その起源となる組織に応じて細胞タイプを分類するのに有効であることが分かった。遺伝子の接続性は異なる機能クラスに対応し、ハウスキーピング遺伝子は接続が少なく、遺伝子量感受性遺伝子はエンハンサーエレメントとの接続性が高い。このクロマチンループのアトラスは、ENCODEを構成するさまざまな調節構造マップを補完するものであり、ゲノムの構造と機能に関する新たな解析の助けになるだろう。

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