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ゲノミクス:マウス胎仔発生におけるクロマチンの動的な全体像のアトラス

Nature 583, 7818 doi: 10.1038/s41586-020-2093-3

ENCODE(DNAエレメントの百科事典)計画によって哺乳類の発生についてのゲノム情報資源が確立され、これによりマウスの受精後10.5日から出生までの8つの発生段階について、さまざまな組織からなるパネルのプロファイルが得られている。このパネルにはトランスクリプトーム、メチローム、クロマチンの状態が含まれる。今回我々は、発生中のマウス胎仔におけるクロマチンの状態と接近性を系統的に調べた。合計で、ヒストン修飾について1128回のChIP–seq(chromatin immunoprecipitation with sequencing)アッセイと、72の異なる組織段階におけるクロマチン接近性について132回のATAC–seq(assay for transposase-accessible chromatin using sequencing)を行った。我々は、統合解析を用いて、クロマチン状態のアノテーションの統一的なセットを開発し、動的エンハンサーと主要な転写調節因子のアイデンティティーを推測し、発生遺伝子調節の際のクロマチン状態と接近性の関係の特徴を明らかにした。我々はまた、これらのデータを利用してエンハンサーと推定される標的遺伝子とを結び付け、ヒトでは疾患に関連する塩基配列バリアントが組織特異的に豊富に存在することを実証した。このマウスのENCODEデータセットは、生物医学研究者に情報資源の概要を提供し、また、哺乳類の胎仔発生過程おけるクロマチン動態について、我々の知る限り、これまでで最も包括的な見解を示すことに成功している。

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