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気候科学:データセットの修正によって得られた20世紀前半のより均一な海面の温暖化

Nature 571, 7765 doi: 10.1038/s41586-019-1349-2

海面水温(SST)の既存の見積もりは、20世紀前半に、北大西洋と北東太平洋が全球平均の2倍温暖化したのに対し、北西太平洋は全球平均と同程度寒冷化したことを示している。こうした不均一なパターンは、強制力や海洋–大気熱フラックスの地域的な変動からの直接的寄与を示唆している。しかし、これらの古いSSTの見積もりは、船上のバケツの水温測定から得られており、かなりの偏りを補正する必要がある。本論文では、バケツ測定値のグループ間のオフセットを補正すると、SSTの変動と近くの陸地温度の相関がより高くなり、SSTの温暖化パターンがより均一になることを示す。オフセットは、異なるグループ間での近くのSST観測値を系統的に比較することによって特定された。ドイツの測定のオフセットを補正すると、北大西洋の温暖化速度が低下し、日本の測定のオフセットを補正すると、北太平洋の温暖化が大きくなるとともにより均一になった。1930年代の日本の測定値のオフセットは、1960年代に記録がデジタル化された際に整数化されていたことに主に起因する。今回の知見は、過去のSST記録がデータ収集における物理的側面と社会的側面の両方を反映しているという事実を浮き彫りにしており、過去のSST記録の正確性を改善する機会がまだあることを示唆している。

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