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天文学:恒星質量ブラックホール連星系はくちょう座V404における短時間で方向を変えるジェット

Nature 569, 7756 doi: 10.1038/s41586-019-1152-0

強力な相対論的ジェットは、降着ブラックホールが周囲に力学的なフィードバックを供給する主要な仕組みの1つである。ジェットに動力を供給する降着流は、ジェットを放出したり、その方向を変えたりしているので、降着流のダイナミクスはジェットに影響を及ぼすと予想される。これは、恒星質量の降着ブラックホールにおいて、ブラックホールのスピン軸が伴星の軌道面と一致しないときに生じる慣性系の引きずり効果に起因する歳差運動の証拠となっている。最近、理論シミュレーションによって、ジェットが付加的なトルクを降着流に与え得ることが示唆されているが、降着流のダイナミクスとジェットの放出との間の関係はまだ理解されていない。本論文では、ブラックホールX線連星はくちょう座V404における、数分から数時間のタイムスケールで急速に方向を変えるジェットについて報告する。これは、2015年のアウトバーストのピーク時に超長基線電波干渉法で検出されたものである。我々は、このジェットの方向の変化を、超エディントン降着率に起因する垂直に広がった薄い円盤のレンズ・ティリング歳差運動としてモデル化できることを示す。今回の知見は、歳差運動をしている内側の降着円盤のダイナミクスが、中心から数百重力半径内におけるジェットの直接放出か方向の変化のいずれかに関与していることを示唆している。同様のダイナミクスは、スピン軸と流入ガスが一致していない活発な降着ブラックホールの全てに予想されるはずであり、これらは共にジェットの観測的特徴に影響を及ぼし、周囲の環境全体にわたってブラックホールのフィードバックをより均等に分配する。

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