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遺伝学:ナメクジウオの機能ゲノミクスおよび脊椎動物の遺伝子調節の起源

Nature 564, 7734 doi: 10.1038/s41586-018-0734-6

脊椎動物は、脊索動物の基本的なボディープランをより複雑なものへと大きく変化させ、2回の全ゲノム重複によって形成された非常に特徴的なゲノムを進化させてきた。今回我々は、地中海に生息するナメクジウオ類のニシナメクジウオ(Branchiostoma lanceolatum)のゲノムの塩基配列解読を行い、多数の発生段階や成体組織においてDNAメチル化、クロマチンアクセシビリティー、ヒストン修飾、トランスクリプトームの特徴付けを行うことで、脊索動物ゲノムの調節の進化を調べた。脊椎動物との比較から、メチル化に差のあるエンハンサーの進化には中間段階があること、そしてナメクジウオと脊椎動物の間では遺伝子発現やそのシス調節の論理が高度に保存されていて、胚発生中期のファイロティピック段階のより早期に最大限の類似性が見られることが分かった。全ゲノム重複が起こった後の調節の進化を解析することで、脊椎動物では、全ゲノム重複に由来する多数のパラログを持ち、広く発現が見られる遺伝子ファミリーの80%以上は、その祖先遺伝子の発現パターンが制限されている遺伝子を含んでいること、そして機能分担(subfunctionalization)というよりも特化(specialization)していることが分かった。直観に反して、発現が制限されたパラログはその調節の全体像の複雑性が上昇していた。これらのデータは、脊椎動物の重要な革新の基礎となる調節原理の理解を深めるための道を開く。

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