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地球物理学:大地震後の余震パターンの深層学習

Nature 560, 7720 |  Published: |  doi: 10.1038/s41586-018-0438-y


余震は、大地震によって生じた応力変化に対する応答であり、最もよく観測される地震の誘発作用である。余震の最大規模とその時間的減衰は、経験則(Bath法則や大森公式など)でうまく記述されるが、余震の空間分布を説明し予測するのはより困難である。クーロン破壊応力変化は、おそらく余震の空間分布の説明に最も広く使われている基準だが、その適用妥当性は争点となっている。今回我々は、深層学習の手法を用いて、断層方向を事前に仮定することなく余震の位置を予測する、静的応力に基づく基準を見いだした。我々は、13万1000組以上の本震と余震の組み合わせによって訓練したニューラルネットワークが、3万組以上の本震と余震の組み合わせからなる独立した試験データセットの余震位置を、古典的なクーロン破壊応力変化による予測(曲線下面積;0.583)よりも正確に予測(曲線下面積;0.849)できることを示す。学習によって得た余震パターンは物理的な解釈が可能である。すなわち、剪断応力の最大変化、ミーゼスの降伏基準(基準化した偏差応力変化テンソルの第二不変量)、応力変化テンソルの独立成分の絶対値の和のそれぞれによって、ニューラルネットワークの予測の分散の98%以上を説明できることが見いだされた。今回の機械学習で得られた知見によって、余震位置の予測が向上し、地震サイクルで最も活動的な期間における地震の誘発作用を支配している可能性のある物理量が特定される。

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