Letter

微生物生態学:南極砂漠では大気中の微量ガスが表面土壌の一次生産を支えている

Nature 552, 7685 doi: 10.1038/nature25014

複数の培養非依存的な調査から、南極の砂漠土壌には驚くほど豊かな微生物群集が存在することが示されている。こうした南極の土壌では光栄養生物の個体数は場所によって異なることから、光合成能力の低いこれらの微生物群集では何が生命を支えているのかということが長年の疑問となっている。今回我々は、2つの南極表層土壌群集において、大気中の微量ガスが一次エネルギー源であることを示す証拠を提示する。メタゲノム解析で得られたリード配列から、細菌の門候補であるWPS-2およびAD3のゲノムを含む、23の概要ゲノムを再構築した。その結果、群集の優占種が、高親和性ヒドロゲナーゼ、一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、および化学合成的な炭素固定を支えることが知られているRuBisCOの一種をコードし、発現していることが分かった。土壌のミクロコスムは、大気中のH2およびCOをそれらの理論上の維持エネルギーを持続させるのに十分な速度で好気的に捕捉し、化学合成によるCO2固定の相当のレベルを仲介していたが、光合成によるCO2固定は仲介していなかった。我々は、大気中のH2、CO2、COが、これらの微生物群集を支えるエネルギーおよび炭素の確実な供給源であると提案する。これは、大気中のエネルギー源が、太陽エネルギー源や地質学的エネルギー源に代わる生態系機能の基盤となり得ることを示唆している。この過程が南極の陸域全体や他の貧栄養生息環境でも広く見られるかどうかを検証するには、より大規模なサンプリングが必要ではあるが、今回の結果は、生命の最低栄養要求量に関して新たな理解をもたらすとともに、他の惑星でも大気中のガスが生命を支えている可能性を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度