Letter

微生物学:腸内細菌の代謝経路は芳香族アミノ酸を9種類の血中代謝物に変換する

Nature 551, 7682 doi: 10.1038/nature24661

ヒトの腸内細菌相が産生する数十種類の代謝産物は、血液中に蓄積して宿主に全身的な作用を及ぼすことがある。これらの小分子は一般に、医薬品と同程度の濃度に達するが、これらを産生する微生物の代謝経路については、非常にわずかしか解明されていない。今回我々は、遺伝学的手法と代謝プロファイリングとを組み合わせて、腸内共生細菌Clostridium sporogenesの芳香族アミノ酸代謝産物を産生する経路を明らかにした。この経路では12種類の化合物が産生されることが突き止められ、そのうち9種類は宿主の血清に蓄積することが知られている。3種類の芳香族アミノ酸(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン)はいずれもこの経路の基質になり、この経路は分岐していて、特定の中間体に特異的に働くレダクターゼが複数含まれている。我々はC. sporogenesを遺伝子操作することでノトバイオートマウスでのこれらの代謝産物の血清中濃度を変化させ、さらにこの変化が腸の透過性や全身の免疫に影響を及ぼすことを明らかにした。今回の研究は、腸内微生物群集が産生する分子を操作するための体系的手法の基盤となると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度