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光学:高次例外点での感度の向上

Nature 548, 7666 doi: 10.1038/nature23280

例外点(exceptional point)とも呼ばれる非エルミート縮退は、開放物理系、つまり環境と相互作用する系の応答を制御する新しい方法として、最近取り上げられている。例外点は、基礎となる系の固有値と、それに対応する固有ベクトルとが同時に合体したパラメーター空間の点に対応する。光学においては、例外点の周りで生じる相転移の突然性は、損失によって生じる透過性、一方向からの不可視性、バンドの融合、トポロジカルなカイラリティー、レーザーのモード選択性などの多くの興味深い現象をもたらすことが示されている。最近では、二次非エルミート縮退の分岐特性が、外部の摂動に対する共振光学構造の感度(周波数シフト)を高める手段となり得ることが示された。特に興味深いのはより高次の(二次よりも大きい)例外点の使用で、高次例外点は、原理的には摂動の効果をさらに増幅し、より高い感度をもたらす可能性がある。このような高次の縮退についての理論的研究はますます盛んに行われているが、光領域における実験的な証明はまだ実現していない。本論文では、慎重に調整された利得–損失分布を持つ結合共振器構成、具体的には、三値のパリティ–時間対称性を有するフォトニックレーザー分子において高次例外点を観測したことを報告する。我々は、スペクトル領域でこの系を調べ、この系の周波数応答が、屈折率の誘起摂動の立方根に従うことを見いだした。今回の研究は、フォトニクス、オプトメカニクス、マイクロ波、原子物理学などの分野で非エルミート縮退を利用する道を開くものである。

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