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免疫学:個別化RNAミュータノームワクチンはがんに対する多特異性の治療免疫を誘導する

Nature 547, 7662 doi: 10.1038/nature23003

変異ネオエピトープを標的とするT細胞は、がん免疫を誘導する。しかし、免疫によって変異が自然に認識されても効率が悪い。我々は最近、個別化ミュータノーム(mutanome)ワクチンの概念を紹介し、さまざまながん変異に対して免疫を誘導するために、RNAを基盤とするポリネオエピトープ手法を行った。今回我々は、この概念を黒色腫において初めてヒトに適用したことを報告する。我々は、個々の変異の包括的な特定、ネオエピトープの計算予測、各患者に固有のワクチンの設計と製造からなる過程で研究を行った。その結果、全ての患者が、最大で1桁台後半という高い割合でワクチンの複数のネオエピトープに対してT細胞応答を発揮した。ワクチンが誘導したT細胞浸潤や、ネオエピトープ特異的な自己腫瘍細胞の殺滅が、2人の患者のワクチン接種後に切除された転移巣で見られた。ワクチン接種開始後、転移の累積発生率は非常に大きく低下し、無増悪生存の延長につながった。転移性疾患の5人の患者のうちの2人では、ワクチンに関連した客観的奏効が見られた。また、そのうちの1人は、獲得抵抗性機構として、β2-ミクログロブリン欠損黒色腫細胞の増殖による晩期再発が起きた。また別の患者は、PD-1阻害療法と併用したワクチン接種により完全寛解した。我々の研究は、個々の変異を利用できること、そしてそれによってがん患者のための個別化免疫療法への道が開けることを実証している。

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