Letter

疫学:南北アメリカ大陸でのジカウイルスの進化と拡大

Nature 546, 7658 doi: 10.1038/nature22402

南北アメリカ大陸での近年のジカウイルス(ZIKV)の流行と、その先天異常との関連は多大な関心を集めているが、ZIKV感染症の疫学とZIKVの進化については、ゲノムデータの不足が理由の1つとなって、ほとんど解明が進んでいない。今回我々は、この知識の欠落に対処するために、複数の塩基配列解読手法を用いて、10の国と地域で採取された臨床試料および蚊の試料に由来する110のZIKVゲノムの塩基配列を解読し、これによってこの大発生で観察されたウイルスの遺伝的多様性が大幅に拡大したことを示す。異なる地理的領域へのウイルス侵入の時期およびパターンを分析したところ、系統発生学的証拠から、ブラジルで大発生が急激に拡大したことと、プエルトリコ、ホンジュラス、コロンビアやその他のカリブ海諸島と米国本土に大発生ウイルス株が複数回侵入したことが示唆された。複数の地域において、地元での最初の伝播症例が確認される何か月も前に、ZIKVが検出されずに循環していたことが分かり、ウイルス感染のサーベイランスの重要性がはっきりと示された。我々はZIKVの生物学的性質や病原性に機能の面で関わる可能性のある変異、そして診断検査の有効性に関係する可能性のある変異も明らかにした。

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