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材料科学:透明溶融シリカガラスの三次元印刷

Nature 544, 7650 doi: 10.1038/nature22061

ガラスは、断熱性と電気絶縁性に加えて、比類なき光透過性、そして突出した機械的耐性、耐薬品性および耐熱性を示すことが主な理由となり、科学研究、産業界および社会で最も重要な高性能材料の1つとして使われている。しかし、ガラス(特に溶融シリカガラスなどの高純度ガラス)は成形しにくいことでよく知られており、巨視的な物体については高温の溶融工程と鋳造工程が、微視的な形状については有害化学物質が必要である。こうした欠点ゆえに、ガラスには三次元(3D)印刷などの現代的な製造技術は適用できていない。今回我々は、鋳造用ナノコンポジットを用いて、解像度が数十マイクロメートルの透明溶融シリカガラス部品を、ステレオリソグラフィー3Dプリンターで作り出した。この工程では、光硬化性シリカナノコンポジットを用い、このナノコンポジットを3D印刷し、熱処理によって高品質溶融シリカガラスに変化させる。印刷された溶融シリカガラスは、非多孔性で、市販の溶融シリカガラスの光透過性を示し、粗さ数ナノメートルの滑らかな表面を有する。また、金属塩を添加することによって、着色ガラスを作り出すことができる。今回の研究によって、3D印刷用の材料の選択肢が広がり、産業界と学術界の両方における多くの用途向けに、溶融シリカガラスで任意の巨視的構造体や微視的構造体を形成できるようになる。

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