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ウイルス学:ジカウイルス感染はマウスの精巣に損傷を与える

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20556

妊婦のジカウイルス(ZIKV)感染は、小頭症などの先天性奇形を引き起こす場合があり、そのためこの新興病原体に世界的な関心が集まっている。ZIKVは、蚊による伝播に加え、男性感染者の精液中からも長期間にわたって検出されることがあり、性的接触によって伝播する場合がある。今回我々は、マウスに適応したアフリカ系ZIKV株(Dakar 41519)を用いて、マウス雄性生殖輸管における感染の影響を評価した。ZIKVは、近縁のデングウイルス(DENV)には認められなかった雄マウスの精巣および精巣上体での残存が観察され、このことは、テストステロンおよびインヒビンBレベルの低下ならびに精子過少症を引き起こす組織損傷と関係していた。ZIKVは、精巣内で精原細胞、一次精母細胞、およびセルトリ細胞に選択的に感染し、細胞死および精細管の破壊を引き起こした。最近のアジア系ZIKV株(H/PF/2013)による損傷はそれよりも軽度であったが、それはこのウイルスのマウスでの複製効率が低いことが一因である。今回のマウスでの観察結果がどれだけヒトに当てはまるのかはいまだ不明であるが、ZIKV感染者での精子の機能および生存能力に関する長期的研究が行われるべきと考えられる。

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