Article

神経科学:ユスリカにおける概日および概月タイミング適応のゲノム基盤

Nature 540, 7631 doi: 10.1038/nature20151

生物は、体内時計を使って日周や潮汐などの規則的な環境周期を予測する。天然のバリアントによって異なるタイミングを持つ行動や生理が生じることは、ヒトではクロノタイプとして知られるが、その特性は分子レベルでは明らかになっていない。我々は、概日時計および概月時計によって繁殖のタイミングが規定されているウミユスリカClunio marinusのゲノム塩基配列を解読した。生息域の異なるユスリカには、系統特異的で遺伝的なタイミングの適応が見られた。我々は、異なる生息域に由来する5系統のC. marinusで遺伝的変動を調べ、概月クロノタイプおよび概日クロノタイプの量的形質遺伝子座をマッピングした。概日クロノタイプと最も強く関連していた領域では、Ca2+/カルモジュリン依存性キナーゼII.1 (CaMKII.1)スプライスバリアントの量が系統特異的に異なっていた。同様のバリアントは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)でCaMKIIの活性を変化させることが示されており、C. marinusCma)-CaMKII.1は概日時計タンパク質のCma-CLOCKおよびCma-CYCLEからなる二量体の転写活性を増大させることから、選択的スプライシングの調節が概日タイミングにおける自然適応機構であることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度