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医学研究:ブラジルのジカウイルス系統は実験モデルで先天異常を引き起こす

Nature 534, 7606 doi: 10.1038/nature18296

ジカウイルス(ZIKV)はアルボウイルスで、フラビウイルス科フラビウイルス属に属し、1947年、歩哨アカゲザルの血液分析の後にウガンダで初めて記載された。このウイルスのアフリカとアジアの系統は、20世紀の間はヒトに有害な感染はしなかった。しかし、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)によって媒介されたZIKVが2007年にミクロネシアのヤップ島で、初めて注目すべき流行を引き起こした。患者は発熱、皮膚発疹、関節痛、結膜炎の症状を呈した。2013年から2015年にかけて、アジア系統のウイルスが、ニューカレドニアやフランス領ポリネシアで、さらなる大規模な流行を引き起こした。2013年には、ZIKVはブラジルに到達し、その後、中南米の他の国々にも広まった。ブラジルでは、このウイルスは小頭症や、ギラン・バレー症候群などの重篤な神経疾患を含む先天性奇形と関連付けられてきた。臨床的証拠はあるものの、ブラジルのジカウイルス(ZIKVBR)系統が、先天異常の原因であることを示す直接的な実験的証拠はまだなかった。本研究で我々は、マウスでZIKVBRが胎仔に感染し、小頭症の兆候を含め、子宮内での成長を制限することを示す。さらに、このウイルスはヒトの大脳皮質前駆細胞にin vitroで感染し、細胞死を増加させる。また、ヒトの脳オルガノイドへの感染は、増殖帯を減少させ、皮質層を破壊することを報告する。これらの結果は、ZIKVBRは胎盤を通過して、皮質前駆細胞を標的とし、アポトーシスやオートファジーによる細胞死を誘導して神経発生を障害することで、小頭症を引き起こすことを示している。ZIKVBRの大流行と先天性脳奇形のおびただしい症例数を結び付ける証拠が増えつつあり、今回の結果はそれをさらに強固にするものである。我々のモデルは、ヒトの神経発生におけるZIKVBRの有害な影響に対抗するための治療法の効果を調べるために用いることができるだろう。

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