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エボラウイルス:ギニアのエボラウイルス病で見られる独特なヒト免疫シグネチャー

Nature 533, 7601 doi: 10.1038/nature17949

西アフリカでのエボラウイルス病(EVD)大発生の重大性にもかかわらず、EVDの病態生理学についての知識はいまだに根本的に不足している。特に、エボラウイルスに対するヒトの免疫応答については知られていることがほとんど無い。今回我々は、ギニアのエボラ治療センターに入院したEVD患者について、入院した時点から退院あるいは死亡に至るまで長期的に、ヒトT細胞免疫応答の生理的特徴について評価を行った。ヨーロッパ移動研究室によって確立されたマルチパラメーターフローサイトメトリーを現地で用いて、EVDによる死亡者に独特の免疫シグネチャーを突き止めた。致死的なEVDでは、抑制性分子のCTLA-4やPD-1を発現するCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞が高い割合で存在することが特徴だった。こうした特徴は炎症マーカーの上昇や高いウイルス負荷と相関していた。対照的に、感染を乗り切った患者は全体的なT細胞活性化の程度は同等だったにもかかわらず、CTLA-4やPD-1の発現が顕著に低く、炎症もあまり起こっていなかった。感染を乗り切った患者ではまた、ウイルスの除去と同時に、ロバストなエボラウイルス特異的T細胞応答が起こっていた。今回の知見は、T細胞応答の調節異常がEVDの病態生理の重要な構成要素であることを示唆している。

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