Letter

有機化学:ラジカルのイミニウムイオン捕捉による第四級炭素の触媒的不斉構築

Nature 532, 7598 doi: 10.1038/nature17438

現代の有機化学の重要な目標は、第四級立体中心の生成に使用できるエナンチオ選択的炭素–炭素結合を形成する新しい触媒戦略を開発することである。極性反応性を利用することによって大きく進歩したが、ラジカル変換はほとんど成功したことがない。このことは、開殻中間体が、その反応性がごくわずかしか立体因子の影響を受けないため、構造的に込み入った炭素を本質的にすぐにでも結合できるという事実に反している。今回我々は、光酸化還元触媒反応と不斉有機触媒反応とを組み合わせると、β,β-二置換環状エノンへのエナンチオ選択的ラジカル共役付加が可能になり、第四級炭素立体中心が高い忠実度で得られることを示す。今回の成功に不可欠なのは、イミニウムイオンの形成と光化学的に生成した炭素中心ラジカルの立体選択的捕捉を電子リレー機構によって促進する、酸化還元活性なカルバゾール部位を持つキラル有機触媒を設計することであった。我々は、容易に入手可能な基質と光酸化還元触媒から別個の光誘起経路を通して生成した2組の開殻中間体を用いて、この有機触媒的ラジカル捕捉戦略の普遍性を実証した。この方法は、ラジカル反応性の範囲内でイミニウムイオン活性化(エナンチオ選択的極性化学を成功させるための触媒的戦略)を適用したものである。

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