Letter

生物地理学:外来植物の全球的な移出入と蓄積

Nature 525, 7567 doi: 10.1038/nature14910

人類は非生物的および生物的な環境を全球規模で大幅に変化させており、その速度は上昇し続けている。人新世(Anthropocene)を定義付ける特徴の1つは、人類の関与で生物種が新しい地域に分散することによる生物地理学的障壁の侵食であり、分散した種は新しい地域に帰化して生態的、経済的、および社会的な損害を生じる場合もある。現在のところ、大陸をまたぐ外来植物種の全球的な蓄積や移出入に関する包括的な分析は行われておらず、その主な理由はデータがない点にある。今回我々は、こうした情報の空白を埋めるため、大陸の481地域および島嶼の362地域に帰化した外来植物種の出現度に関する独自の全球データベースを用いた。合計すると、全球の現生維管束植物相の3.9%に当たり、ヨーロッパの在来植物相の規模にほぼ匹敵する1万3168種の植物が、人間活動の結果として全球のどこかに帰化していた。帰化種数の蓄積は北米が最多であったが、陸地面積に対する種数の増加は太平洋諸島が最速であった。北半球の大陸は、他の全ての大陸への帰化外来種の主要な供給源となっている。今回の結果は、全世界の植物帰化の程度を初めて定量化したものであり、外来種の拡散を制御、管理および理解するための世界的に統合された取り組みが緊急に必要なことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度