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免疫学:IgG1はクリオグロブリン血症マウスモデルの腎疾患を防御する

Nature 517, 7535 doi: 10.1038/nature13868

免疫グロブリンは、補体や刺激性Ig FcR(immunoglobulin crystallizable fragment receptor)を活性化すること、および微生物病原体を凝集させることにより、疾患をかなりの程度防御する。しかし、主要なマウス血清IgアイソタイプであるIgG1は、古典的経路で補体を活性化できず、刺激性FcRよりも抑制性FcRに対してより活発に結合し、また、病原体を凝集させる能力も限られている。これらの点で、マウスIgG1はヒトIgG4に類似している。我々は、エフェクター機構を活性化する能力が低いことが、免疫複合体による免疫疾患を防御しているかもしれないという仮説を立てた。本論文では、IgG1欠損(γ1)マウスは、強力な抗原で免疫された場合、抗原特異的な抗体の産生が始まった直後に致死的な腎疾患を発症するが、同様に免疫された野生型マウスは健康な状態を維持することを示す。意外なことに、このモデルの腎疾患は、クリオグロブリン血症患者の一部に見られるように、補体やFcRに非依存的で、糸球体毛細血管への免疫複合体の沈着に起因している。このクリオグロブリンでは、自己会合により大きな免疫複合体を形成するIgG3がマウスIgの97%以上を占めている。さらに、マウスにIgG3抗トリニトロフェニル(TNP)モノクローナル抗体に続きTNP標識タンパク質を注入すると、糸球体疾患が発症する。腎疾患は、抗原特異的IgG1による能動免疫モデルでも受動免疫モデルでも防御される(他のアイソタイプはIgG1ほど強力に腎疾患を防御しない)。これらの観察は、エフェクター機構をほとんど活性化しないIgアイソタイプの適応免疫における重要性を実証するものであり、免疫複合体依存的だが補体やFcRには非依存的な腎毒性機構を明らかにし、エフェクター機構をほとんど活性化しないことが免疫複合体による免疫疾患の抑制に役立つ可能性を示唆している。

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