Letter

細胞生物学:FXR–CREB経路によるオートファジーの転写制御

Nature 516, 7529 doi: 10.1038/nature13949

オートファジーによる細胞質構成要素のリソソームでの分解は、貧栄養条件下での細胞の生存と恒常性に必須である。栄養感知キナーゼ群によるオートファジーの急性の調節についてはかなり多くのことが明らかになっているが、長期の転写制御についてはそれに比べて理解が進んでいない。本研究では、摂食状態を感知する核内受容体FXR(farnesoid X receptor)と飢餓における転写活性化因子CREB(cAMP response element-binding protein)が、肝臓のオートファジー遺伝子ネットワークを協調的に調節することを示す。FXRを薬理学的に活性化すると、飢餓マウスにおいてさえも多くのオートファジー遺伝子の抑制と、オートファジーの阻害が起こるが、FXRノックアウトマウスでは、摂食によるマクロオートファジーの抑制が減弱していた。マウス肝臓のクロマチン免疫沈降法に続いて行ったハイスループット塩基配列解読データから、230個のオートファジー関連遺伝子のうち、FXRとCREBの結合ピークがそれぞれ178個と112個の遺伝子で検出された。また、78個の遺伝子はどちらにも結合し、そのほとんどはプロモーター領域で見られた。CREBは、貧栄養条件下ではオートファジーによる脂質分解、すなわちリポファジーを促進し、FXRはこの応答を抑制する。機構的には、CREBはコアクチベーターCRTC2を誘導することにより、Atg7Ulk1Tfebなどのオートファジー遺伝子の発現を上昇させる。摂食または薬理学的な活性化の後、FXRは機能するCREB–CRTC2複合体を破壊することによりこれらの遺伝子をトランスに抑制した。本研究は、新たなFXR–CREB経路が、オートファジーを調節する主要な生理学的スイッチとして働き、摂食と絶食のサイクルにおいてオートファジーの持続的な栄養調節を引き起こすことを明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度