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ゲノミクス:哺乳類の遺伝子調節の進化を通じてのトランス作動性回路の保存

Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13972

哺乳類では、基本的なボディープランや生理的な軸が進化の過程で高度に保存されてきたが、ヒトゲノム塩基配列のうち進化的制約の対象となったのはごく一部だけのように見える。我々は以前、哺乳類の遺伝子調節の進化に対するシス作動性とトランス作動性の関与を定量化するために、マウスの計25種類の細胞および組織のゲノムについてゲノムDNアーゼIフットプリント解析を行い、合わせて約860万か所に上る転写因子(TF)占有部位をヌクレオチドレベルの分解能で明らかにした。本研究では、マウスのTFフットプリントが統合的に1つの調節配列目録をコードしており、これがヒトのTFフットプリント由来の目録と約95%類似していることを示す。しかし、マウスTFフットプリントのうちヒトオルソログは約20%しかなかった。シス調節の全体像にかなりのターンオーバーがあるにもかかわらず、マウスのTF遺伝子を結び付ける全てのペア間調節相互作用のおよそ半数が、TF認識配列の進化的新機軸を介してオルソロガスなヒト細胞種で維持されていた。さらに、マウスのTF同士の結び付きから細胞ネットワーク構造へのより高次の組織化は、ヒトとほとんど同一であった。今回の結果は、哺乳類の遺伝子調節に対して働く進化的選択が、主にトランス作動性調節回路のレベルで標的とされており、シス調節の可塑性を可能にし強化していることを示している。

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