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免疫:ピリンインフラマソームは細菌によるRho GTPアーゼ修飾の自然免疫における認識を担う

Nature 513, 7517 doi: 10.1038/nature13449

パターン認識受容体(PRR)を介して細胞質で形成されるインフラマソーム複合体は、カスパーゼ1の活性化により病原体感染を防御する。PRRの候補分子であるピリンは、インフラマソームのアダプター分子であるASCに会合可能で、カスパーゼ1活性化複合体を形成する。ピリンをコードしているMEFV遺伝子の変異は、家族性地中海熱として知られるヒトの自己炎症性疾患の原因である。ピリンは免疫や疾患に重要な役割を担っているが、その生理的な機能はまだ明らかにされていない。本論文では、クロストリジウム属の細菌で院内下痢症のほとんどの症例で原因となっているClostridium difficileの主要な毒性因子である細胞毒素TcdBのRhoグルコース付加活性に応答して、ピリンがカスパーゼ1インフラマソーム活性化を引き起こすことを示す。グルコシルトランスフェラーゼが不活性化しているTcdB変異体はインフラマソーム活性能を失う。FICドメインアデニリルトランスフェラーゼ[腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のVopSおよびHistophilus somniのIbpA]や、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)のADP-リボシル化活性を持つC3毒素などのRhoを不活化する他の毒素も、それらの酵素活性に依存した形でピリンインフラマソームを生化学的に活性化できる。これらの毒素は全てRhoサブファミリーを標的とし、スイッチI領域のアミノ酸残基を修飾する。我々はさらに、日和見感染菌であるBurkholderia cenocepaciaが、やはりスイッチI領域にあるAsn41の脱アミド化によってRHOAを不活化し、それによってピリンインフラマソームの活性化を誘導することを示す。これらのピリンインフラマソーム活性化はどちらも、細菌のVI型分泌装置(T6SS)を必要とする。ピリンインフラマソームを喪失させると、B. cenocepaciaのマクロファージ内での増殖が促進され、マウスでは肺の炎症が減弱する。従って、ピリンは病原体によるRho GTPアーゼの修飾と不活化を感知する機能があり、このことは哺乳類の自然免疫における新しい枠組みを示している。

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