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ゲノミクス:系統的に離れた複数種にわたるトランスクリプトーム比較解析

Nature 512, 7515 doi: 10.1038/nature13424

トランスクリプトームはゲノムから読み出された情報である。系統的に離れた生物種のトランスクリプトーム間に共通する特徴を見つけることで、転写の基本原理を明らかにできる。この目的のために、ENCODEおよびmodENCODEコンソーシアムは、ヒト、線虫およびショウジョウバエについて、相互に対応させた大量のRNA塩基配列解読データを作出した。これらのデータを一律処理して包括的な注釈付けを行うことで、後生生物の「門」を超えた比較が可能になり、これまでの門内でのトランスクリプトーム比較という枠を超えて解析を拡大することで、太古から保存されている特徴が明らかになった。具体的には、動物群を超えて共有されている共発現モジュールが見つかり、その多くは発生に関わる遺伝子に豊富に存在していた。また、発現パターンを用いて線虫とショウジョウバエの発生段階を対応させて並べることで、胚と胚、幼虫と幼虫の対応関係に加えて、線虫の胚とショウジョウバエの蛹の間の新しい対応関係が見いだされた。また、非標準的な非コード領域転写の範囲は、それぞれの生物で塩基対ごとに同様であることも分かった。さらに我々は、これら3種の生物全てで、コード領域および非コード領域の両方の遺伝子発現レベルが、生物種に依存しないパラメーターの単一セットに基づく「普遍的モデル」を用いて、プロモーターでのクロマチンの特徴から定量的に予測できることを見いだした。

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