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がん:肺腺がんの包括的分子プロファイリング

Nature 511, 7511 doi: 10.1038/nature13385

肺腺がんは、世界のがんによる死亡原因の第1位である。本研究では、肺腺がん切除標本230例について、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNAおよびDNAの塩基配列解読と、コピー数、メチル化およびプロテオームの解析を統合した分子プロファイリングについて報告する。体細胞変異は高頻度で見られた(1メガ塩基当たり平均8.9個の変異)。18個の遺伝子で統計的に有意な変異が認められ、そこにはRIT1の活性化変異や、MYCの局所的増幅と相互排他的であるMGAの新規な機能喪失変異が含まれる。EGFRの変異は女性患者に多く、RBM10の変異は男性の方に多かった。13%の症例でNF1METERBB2RIT1の異常が見られ、これらは他の活性化がん遺伝子が見られない標本で多いため、特定の腫瘍でドライバーとして働いている可能性が考えられる。同一の腫瘍に由来するDNAとmRNAの塩基配列から、体細胞ゲノム変化によって促進されるスプライシング変化が明らかになり、その中には4%の症例で見られたMET mRNAでのエキソン14のスキッピングなどが含まれる。MAPKとPI(3)K経路の活性をタンパク質レベルで測定したところ、既知の変異で説明できるのはごく一部の症例のみで、さらなる未解明の経路活性化機構の存在が示唆された。以上の結果は、肺腺がんの分子レベルでの発症機序の分類とさらなる究明のための基盤となる。

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