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神経科学:脊髄感覚フィードバックのシナプス前抑制が円滑な運動を確実にする

Nature 509, 7498 doi: 10.1038/nature13276

熟練を要する運動の正確さは、感覚フィードバックおよび局所的抑制性微小回路によるその精密化に依存する。脊髄GABA作動性介在ニューロンの特殊化した一群は、感覚求心路の中枢側末端と軸索–軸索間結合を作り、感覚から運動への伝達に対してシナプス前性の抑制的制御をかけている。この非典型的な抑制機構に関わるGABA作動性ニューロンに選択的にアクセスすることが困難なため、シナプス前抑制の運動行動への関与については解明が進んでいない。今回我々は、マウスでGad2を用いて感覚終末と結合する介在ニューロンを操作し、これらの介在ニューロンの活性化が、シナプス前抑制の生理的特徴を決めていることを示す。Gad2を発現する介在ニューロンを選択的に遺伝学的手法で除去すると、目標に向かう到達運動が大きく障害され、顕著かつ定型的な前肢の振動性の運動が現れた。その中核的特徴は、高ゲインでの感覚フィードバックの結果をモデル化することにより表現することができた。これらの知見から、運動の円滑な実施に重要な、遺伝的に固有のゲイン制御システムの神経基盤が明らかになった。

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