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免疫:V1V2に対する強力なHIV中和抗体の発生経路

Nature 509, 7498 doi: 10.1038/nature13036

HIV-1を中和できる抗体は、HIV-1エンベロープの可変領域1および2(V1V2)を標的としていることが多いが、この種の抗体の誘導機構は明らかになっていない。本論文では、このような抗体が生み出され、また中和のために必要な分子的特徴を獲得する発生経路を明らかにする。体細胞的に近縁の12種の中和抗体(CAP256-VRC26.01–12)はCAP256ドナー(南アフリカエイズプログラム研究センター由来)から単離されたもので、各抗体はチロシンが硫酸化されていて陰イオン性である、突出した抗原結合ループ[相補性決定領域(CDR)H3]を持っている。このループはこの種の抗体の特徴である。これらの抗体の変異を起こしていない原型は、感染後30から38週の間に発生して35残基のCDR H3を持っており、初回感染後15週目にこの患者に重複感染したウイルスを中和した。中和範囲と効力の改善は、軽度の親和性成熟を伴って59週までに起こり、またウイルス集団の広範囲にわたる多様化に先立って生じた。従ってHIV-1のV1V2に対する中和抗体は、長いCDR H3を持つB細胞の初回選択とその後の限られた体細胞超変異を介して比較的迅速に生み出される可能性がある。これらのデータはHIV-1ワクチン開発に関する重要な手がかりとなる。

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