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医学:新規広域スペクトルヌクレオシド類似体BCX4430によるフィロウイルス感染症の防御

Nature 508, 7496 doi: 10.1038/nature13027

新興病原体であるフィロウイルスは、ウイルス性出血熱の原因病原体である。フィロウイルス感染症流行時の致命率は90%を超え、これはあらゆるヒト病原体について報告されている値の中で最も高い。フィロウイルス感染症の治療に使用できる認可された治療薬、あるいはワクチンは存在しない。非ヒト霊長類疾患モデルでこれまでに有効性が示された治療薬候補は、ウイルス特異的設計に基づくもので、広域スペクトル抗ウイルス活性は限られている。本論文では、新規合成アデノシン類似体であるBCX4430が、ヒト細胞で互いに異なるフィロウイルスへの感染を阻害することを示す。生化学的分析、レポーターを基盤とする分析およびプライマー伸長分析で、BCX4430が非絶対的なRNA鎖ターミネーターとして働いて、ウイルスのRNAポリメラーゼ機能を阻害することが分かった。齧歯類モデルでは、エボラウイルスやマールブルグウイルスへの曝露後にBCX4430を筋内投与すると、ウイルス感染が防がれる。カニクイザルでは、マールブルグウイルス感染の48時間後という遅さで投与されたBCX4430が、このウイルスへの感染からカニクイザルを完全に防御したことは、非常に重要である。さらに、BCX4430は、ブニヤウイルス、アレナウイルス、パラミクソウイルス、コロナウイルスおよびフラビウイルスなどの多数のウイルスに対して広域スペクトル抗ウイルス活性を示す。これは、合成のドラッグライクな小分子によって、非ヒト霊長類がフィロウイルス感染から防御された、我々の知るかぎりで初めての報告である。我々は、BCX4430のこの他の薬理学的特性も明らかにしており、これはBCX4430が公衆衛生上の主要な脅威であるヒトのフィロウイルスなどへの感染症に対する防衛手段としてBCX4430の開発を行う裏付けとなる。

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