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進化:反響定位を行う哺乳類のゲノム全体に見られる収斂進化のシグネチャー

Nature 502, 7470 doi: 10.1038/nature12511

一般的に進化は、遺伝子、タンパク質、そして究極的には表現型の分岐を通じて進むと考えられている。しかし、よく似た選択圧を受けたために、無関係の分類群でよく似た形質が収斂進化することもあり得る。適応性の表現型収斂は自然界に広く見られ、いくつかの遺伝子における最近の結果から、この現象が配列レベルでの反復進化を引き起こす力を持つことも示唆されている。どこのホモプラシー(成因的相同)的置換がこの種の進化を起こすかは、中立的な過程の結果だと長く見なされてきた。しかし、最近の研究では、平行進化をモデル化した統計的な手法を用いることにより、脊椎動物で適応性の収斂的な配列進化を検出できることが実証されている。ただし、属間での配列収斂がゲノム全体でどの程度起こるかは知られていない。今回、我々は、反響定位を独立に進化させてきた哺乳類のゲノム配列データを解析した。そして、収斂はいくつかの遺伝子座に限られるまれな過程ではなく、むしろ広範囲に連続的に分布しており、一般的には遺伝子座ごとに小数の部位に自然選択が働くことにより引き起こされることを示した。22種の哺乳類(新規に配列解読された4つのコウモリゲノムを含む)で、遺伝子をコードする2,326のオルソログ配列内の805,053アミノ酸での収斂的な配列進化を系統的に解析したところ、およそ200の遺伝子座で収斂に一致するシグネチャーが明らかになった。複数種のコウモリとハンドウイルカの間での収斂を支持する強力かつ重要な特徴が、聴覚や難聴に関連する多数の遺伝子に見られ、このことはこれらの遺伝子が反響定位に関わることと一致する。予想外だったが、我々は視覚に関連する多くの遺伝子でも収斂を見いだした。さらに、多くの感覚遺伝子の収斂シグナルが自然選択の強さと強固に関連していた。多岐にわたる生物種にまたがってゲノム全体で収斂的な配列進化を検出しようとしたこの最初の試みによって、この現象がこれまでに知られているよりもはるかに広範囲にわたっていることが明らかになった。

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