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医学:A型鳥インフルエンザウイルスH7N9のフェレットとマウスにおける病原性および伝播

Nature 501, 7468 doi: 10.1038/nature12391

中国疾病予防管理センターは、2013年3月29日にA型鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスのヒトへの感染の最初の報告症例を確認した。H7N9ウイルスによるヒトへの最近の感染は、これまでの合計で130例を超え、そのうち死亡例は39となっており、感染の特徴は重症の呼吸器疾患および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である。H7ウイルスは、ヒトでは眼疾患に関連して見られるのが普通で、重症の呼吸器疾患と関連付けられてこなかったので、これは懸念すべき事態である。最近のこの流行は、哺乳類でのこれらのウイルスの病原性および伝播について解明を進めることの必要性をはっきり示している。本論文では、ヒト死亡例から分離されたA/Anhui/1/2013およびA/Shanghai/1/2013(どちらもH7N9)ウイルスのマウスおよびフェレットでの病原性、および未感染動物への伝播性を評価した。これらのH7N9ウイルスは共に、ヒト気道上皮細胞およびフェレットの気道で、季節性H3N2ウイルスよりも高い力価で増殖した。さらに、これらのH7N9ウイルスは、遺伝学的に近縁なH7N9ウイルスおよびH9N2ウイルスよりも、マウスでの感染性および致死性が高いことが分かった。これらのH7N9ウイルスは、直接接触により未感染フェレットに容易に伝播したが、季節性H3N2ウイルスとは異なり、呼吸器飛沫によって容易に伝播することはなかった。効率のよい呼吸器飛沫伝播が起こらないのは、ヒト様α2,6結合型シアロシドに対する受容体結合特異性が低いことで確証された。今回の結果は、H7N9ウイルスが哺乳類およびヒトの気道細胞で効率よく増殖できる能力を持つことを示しており、またこの新興ウイルスに対して継続的な公衆衛生サーベイランスが必要なことを強調している。

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