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遺伝:キイロショウジョウバエの遺伝学的参照パネル

Nature 482, 7384 doi: 10.1038/nature10811

生物学における大きな難問の1つは、分子レベルでの遺伝的変動と、適応度などの量的形質の変動との間の関係性の解明である。この関係性が、遺伝子型から表現型を推測し、進化の力が種内や種間での変動を形作る仕組みをどの程度解明できるかを決めている。遺伝子型–表現型マップを分析するこれまでの取り組みは、不完全な遺伝子型情報に基づいていた。今回我々は、集団ゲノミクスと量的形質を解析するための共同情報源となる「キイロショウジョウバエの遺伝学的参照パネル」(Drosophila melanogaster Genetic Reference Panel;DGRP)について報告する。DGRPは、自然個体群に由来し、塩基配列が完全に解読された近交系系統から構成されている。集団ゲノミクス解析から、常染色体セントロメア領域とX染色体の多型の少なさ、正と負の選択を示す証拠、およびX染色体の急速な進化が明らかになった。新規遺伝子の多くの変異は、大半は存在頻度が低いものの、量的形質と関連しており、表現型のばらつきの大部分がこれで説明される。DGRPはショウジョウバエ遺伝学の力を使った遺伝子型–表現型マッピングを促進する。

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