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生物工学:強く連動させた遺伝学的な「バイオピクセル」からなる検知アレイ

Nature 481, 7379 doi: 10.1038/nature10722

合成生物学の工学的原理の発達にはかなりの進展が見られるが、大きな難題の1つは、ノイズの多い細胞環境内にロバストな回路を構築することである。そのような環境は、回路の挙動に細胞間変動をもたらし、それが細胞集団レベルで機能性を阻害する場合もある。今回我々は、細菌集団内のクオラムセンシングと集団間の気相酸化還元シグナル伝達を取り込んだ相乗作用的な細胞間連動法を用いて、振動する細胞集団である「バイオピクセル」を数千個、センチメートルスケールで同期させた。この基本構造を用い、振動周期の調整によってヒ素の感知に利用可能な液晶ディスプレー(LCD)様の巨視的な時計を構築した。大腸菌(Escherichia coli)などの細菌が持つ感知能力のレパートリーを考慮すれば、大きな長さスケールでその挙動を調整する能力は、野外で重金属および病原体を検知できる低コストの遺伝学的バイオセンサーを実現するための基盤となる。

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