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遺伝:シロイヌナズナの複数の参照ゲノムおよびトランスクリプトーム

Nature 477, 7365 doi: 10.1038/nature10414

シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、系統間の遺伝的差異が表現型の広範な差異をもたらしており、従来そうした遺伝的差異は主として、注釈済みの参照用系統Col-0に基づいて説明されてきた。本論文では、天然のシロイヌナズナ18系統のゲノムの塩基配列解読、アセンブリ処理、注釈付け、並びにそれらのトランスクリプトームについて報告する。参照用注釈に基づいて評価した場合、タンパク質コード遺伝子の3分の1が1つ以上の系統で破壊されていると予測される。しかし、各系統のゲノムを再度注釈付けすると、別の遺伝子モデルによってタンパク質コード能が回復する場合が多いことが明らかになった。実生での遺伝子発現は、発現した遺伝子の半数近くで異なっており、5,000塩基以内のcis変異体と高頻度で関連し、また同様にイントロンの保持が選択的スプライシング事象と高頻度で関連していた。塩基配列および発現の差異は、生物的環境に反応する遺伝子で最も著明に認められた。今回のデータは、特にこれらの系統に由来するMAGICの遺伝的参照集団のシロイヌナズナに関する進化的および機能的研究をさらに進展させるものだ。

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