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医学:非ホジキンリンパ腫で見られるヒストン修飾遺伝子の高頻度な突然変異

Nature 476, 7360 doi: 10.1038/nature10351

濾胞性リンパ腫(FL)とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、最もよく見られる非ホジキンリンパ腫(NHL)である。今回我々は、B細胞NHLで突然変異を持つ遺伝子を突き止めるために、DLBCLの13症例とFLの1症例で得た腫瘍DNAとそれらに対応する正常DNAの塩基配列の解読を行った。これらのNHLとさらに別の113例のNHLから得たRNAシーケンスデータを解析して、候補突然変異を持つ遺伝子を同定し、次いで腫瘍DNAとそれらに対応する正常DNAの再シーケンス解析を行い、109個の遺伝子に複数の体細胞突然変異があることを確認した。ヒストン修飾にかかわる遺伝子が、体細胞突然変異の標的になっている場合が多かった。例えば、DLBCL症例の32 %およびFL症例の89 %が、ヒストンメチルトランスフェラーゼをコードするMLL2に体細胞突然変異を持っており、DLBCL症例の11.4 %およびFL症例の13.4 %が、ヒストンのアセチル化過程でCREBBPやEP300と協調して働くカルシウム調節性遺伝子MEF2Bに突然変異を生じていた。これらの解析結果は、クロマチンの生物学的特性の障害がリンパ腫発生にかかわっており、それがこれまで正しく評価されていなかったことを示している。

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