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遺伝学:非光学的なゲノム塩基配列解読を可能にする半導体集積デバイス

Nature 475, 7356 doi: 10.1038/nature10242

DNA塩基配列の解読が生命科学、バイオテクノロジーおよび医学に及ぼす影響の重大性はさらに拡大すると思われることから、さらに拡張性が高くコストも低い解析法の探求が活発に進められている。今回我々は、拡張性が高く低コストの半導体製造技術を用いて、ゲノムDNA塩基配列解読を非光学的に直接実行できる集積回路を作製するというDNAシーケンシング技術について報告する。塩基配列データは、この大規模並列処理半導体検出デバイス(イオンチップ)上で、すべて天然のヌクレオチドを用いたDNAポリメラーゼによる鋳型指示合成反応で生成したイオンを直接検出することによって得られる。このイオンチップには、120万個のウェルと完全に対応する形で、イオン感受性電界効果トランジスタを使ったセンサーが封入されており、ウェルが閉じ込め役となって、独立した塩基配列解読反応の並列同時検出が可能である。集積回路構築に最も広く用いられている技術の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)過程を用いることで、このデバイスの低コスト化、大規模製造の実現、より高密度で大きなアレイサイズへの拡張が可能となる。我々は、3種類の細菌ゲノムの塩基配列解読を行ってこの装置の性能を示す。また、センサーの数を最大10倍まで増やしたイオンチップを作製してヒトゲノムの塩基配列解読を行い、この技術のロバスト性および拡張性も示している。

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