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進化:シベリアのデニソワ洞窟で出土した旧人類集団の遺伝的来歴

Nature 468, 7327 doi: 10.1038/nature09710

シベリア南部のデニソワ洞窟で発見された指骨から抽出したDNAを用い、我々は、旧人類のゲノム塩基配列を約1.9倍のカバー率で解読した。この個体が属していた集団は、起源がネアンデルタール人と共通である。この集団は、あったと推定される、ネアンデルタール人からユーラシア人への遺伝子流動には関与していなかったが、データは、この集団の遺伝物質の4〜6%が現在のメラネシア人のゲノムに寄与していることを示唆している。我々はこの人類集団を「デニソワ人」と命名し、更新世後期にこの集団がアジアに広がっていったのではないかと考えている。デニソワ洞窟で発見された1個の歯は、ミトコンドリアゲノムがこの指骨のものと極めて類似している。この歯には、ネアンデルタール人もしくは現生人類と共通する派生的な形態的特徴が認められないことから、デニソワ人がネアンデルタール人や現生人類と異なる進化史をたどったことも示唆される。

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