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医学:大域的でまれなコピー数多型が自閉症スペクトラム障害に及ぼす機能的影響

Nature 466, 7304 doi: 10.1038/nature09146

自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的相互作用およびコミュニケーションの障害、並びに限定的で反復的な行動を特徴とする症候群である。ASD患者の知的発達には個人差があり、平均を上回るものから知的障害まで、幅がある。ASDの遺伝性は非常に高い(90%)ことが知られているが、その根底を成す遺伝的決定因子は、現在でもほとんど明らかにされていない。今回我々は、高密度遺伝子型解析アレイを用い、まれな(頻度<1%)コピー数多型の特性をASDのゲノム全域にわたって解析した。ヨーロッパに祖先をもつASD患者996人を、マッチする対照者1,287人と比較した結果、患者では、まれな遺伝子コピー数多型(CNV)という大域的負荷が高く(1.19倍、P = 0.012)、特にこれまでにASDや知的障害との関連が認められている遺伝子座で高い(1.69倍、P = 3.4×10−4)ことが明らかになった。CNVの中には多数のde novoおよび遺伝性の変異があり、特定の家系では時にこれらが組み合わさって存在し、SHANK2SYNGAP1DLGAP2などの多くの新しいASD遺伝子並びにX連鎖性のDDX53–PTCHD1遺伝子座の関連が示された。また、CNVが多数存在することで、細胞の増殖、投射および運動性に関与する機能遺伝子群、およびGTPアーゼ/Rasのシグナル伝達が破壊されることが見いだされた。今回の結果から、ASDにおける新たな遺伝的、機能的標的が明らかになり、これらによって経路が最終的につながる可能性がある。

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