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植物:MONOPTEROSは可動性の転写因子の調節により胚の根形成開始を制御する

Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08836

植物細胞のアイデンティティーの獲得は位置情報に強く依存しており、したがって、細胞間コミュニケーションや誘導的シグナル伝達が発生パターン形成の手段となる。シロイヌナズナ(Arabidopsis)の胚形成では、胚体外細胞が、隣接する胚細胞のシグナルに応じて、根の一次分裂層、すなわち原根層の創始細胞となるように指定される。オーキシン依存性転写因子MONOPTEROS(MP)は、胚から原根層前駆細胞への植物ホルモンオーキシンの輸送を促進することにより、原根層の指定を駆動する。しかし、オーキシンの蓄積は原根層の指定に十分ではなく、このことは別のMP依存性シグナルが必要であることを示している。今回我々は、胚から原根層へのシグナル伝達を媒介するMP標的遺伝子を、マイクロアレイを用いて分離した。直接的な転写標的遺伝子3個のうち、TARGET OF MP 5TMO5)およびTMO7は、塩基性へリックス・ループ・へリックス(bHLH)転写因子をコードしており、これらは原根層に隣接する胚細胞で発現され、MP依存性の根形成に必要であり、また十分条件の一部となっている。重要なことに、小型の転写因子であるTMO7は、胚内の合成場所から原根層前駆細胞に移動しており、したがって、これは胚での根の指定にかかわる新規なMP依存性の細胞間シグナルである。

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