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考古:絶滅した古エスキモーの古代人ゲノム塩基配列

Nature 463, 7282 doi: 10.1038/nature08835

本論文では、古代人のゲノム塩基配列を示す。永久凍土層で保存された約4,000年前の毛髪から得られたそのゲノムは、知られるかぎり最も早くグリーンランドに定着した文化に属した男性のものである。平均深度20倍の塩基配列解読により、二倍体ゲノムの79%が復元された。これは、現在のシーケンシング技術の実用限界に近い値である。高信頼度の一塩基多型(SNP)が353,151個発見され、そのうち6.8%は未報告のものだった。読み取った未処理データの混入は、多くとも0.8%と推測される。我々は、機能的SNP分析により、この男性について考えられる表現型の特徴を割り当てた。この男性が属する文化に関しては、遺跡からごくわずかな人体遺物しか発掘されていない。この高信頼度のSNPを現代人集団のものと比較したところ、この男性と極めて近い関係にある複数の集団が見つかった。このことは、現在のアメリカ先住民およびイヌイットを生み出すことになった移住とは別に、約5,500年前にシベリアから新世界への移住があったことを示している。

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