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進化:両賭け戦略の実験的進化

Nature 462, 7269 |  Published: |  doi: 10.1038/nature08504


両賭け戦略、すなわち表現型状態間の確率的切り替えは、進化的適応の典型例であり、変動する環境条件に直面した生物の存続を助ける。両賭け戦略は細菌からヒトまでさまざまな生物で見いだされているが、この行動の適応的起源に関する直接的な証拠は得られていない。本論文では、実験的な細菌集団で両賭け戦略がde novoに進化したことを示す。新しい表現型状態が次々と有利になる環境に細菌を置いた。我々の実験条件下で、初めのうちは変異および選択によって新規表現型の連続的な進化が推進されたが、(12系列のうち)2系列の実験ではその流れが中断され、確率的な表現型切り替えを迅速に行うことによって、存続する両賭け戦略の遺伝子型が進化した。これらの切り替え遺伝子型の1つのゲノム配列の再解読から、祖先とは異なる変異が9か所見つかった。最後に生じた変異は表現型の迅速な切り替えに必要十分なものであったが、両賭け戦略の進化は、最後に生じた変異の相対適応度の影響を変化させる、それ以前に生じた複数の変異に依存していた。この知見は、最も単純な生物での両賭け戦略の適応的進化をとらえたものであり、変動する環境を生き抜くうえで、リスク拡散戦略が最も古い進化的解決策の1つである可能性を示唆している。
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