Letter

医学:1塩基の分解能でプロファイリングされた小葉乳がんにおける変異の進化

Nature 461, 7265 doi: 10.1038/nature08489

最近の次世代塩基配列決定法の進歩によって、個々のがんの発生や進行の過程で起こるすべての体細胞コーディング遺伝子変異の特徴を詳細に明らかにできるようになった。本論文では、このようなアプローチを使って、エストロゲン受容体α陽性の転移性小葉乳がんのゲノム(カバー率>43倍)とトランスクリプトームの配列決定を詳細に行った。転移巣に存在する体細胞性の非同義コーディング変異が32個発見され、同一患者の原発腫瘍(9年前に発生)のDNAにこれらの体細胞変異が存在する頻度が測定された。この32の変異のうちの5つ(ABCB11HAUS3SLC24A4SNX4、およびPALB2にみられる)は9年前の診断時に切除された原発腫瘍のDNAに高頻度にみられ、6つ(KIF1CUSP28MYH8MORC1KIAA1468、およびRNASEH2Aにみられる)はより低い頻度(1〜13%)で存在し、19は原発腫瘍では検出されなかった。また、2つは調べられなかった。ゲノムとトランスクリプトームのデータの統合解析から、SRP9およびCOG3のアミノ酸配列を再コード化する2つの新しいRNA編集現象が明らかになった。まとめると我々のデータは、1塩基変異の異質性は、悪性度が低から中程度の原発乳がんの特性である可能性があり、腫瘍の進行とともに重要な変異の進化が起こる可能性があることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度