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細胞:TERTとRMRPRNAが構成するRNA依存性RNAポリメラーゼ

Nature 461, 7261 doi: 10.1038/nature08283

ヒト細胞でのテロメラーゼの恒常的発現は、テロメアの恒常性維持により細胞の老化開始や危機的状態を防いでいる。しかし、ヒトテロメラーゼの逆転写酵素触媒サブユニット(TERT)が、テロメアを伸長する機能とは別に、細胞の生理機能に寄与していることを示す証拠が相次いで報告されている。今回我々は、TERTがミトコンドリアRNAプロセシングエンドリボヌクレアーゼのRNA成分(RMRP)と結合することを明らかにした。RMRPは、多様な症候を呈する遺伝性症候群である軟骨・毛髪低形成(cartilage-hair hypoplasia)で変異がみられる遺伝子である。ヒトTERTとRMRPは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)活性をもつリボ核タンパク質複合体を形成し、この活性により二本鎖RNAが形成され、さらにこれがダイサー(Dicer、DICER1ともよばれる)依存的にプロセシングを受けて低分子干渉RNAが生じる。これらの観察結果から、RMRPと複合体を形成したTERTからなる哺乳類のRdRPが確認された。

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