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遺伝:放射線誘発性ヒト遺伝子発現変化の遺伝学的解析

Nature 459, 7246 doi: 10.1038/nature07940

ヒトは環境からの、そして医療機器が放出する放射線にさらされている。そして、細胞は放射線誘発性損傷に対応するために、遺伝子発現の変化に依存する複雑な応答機能を備えている。これらの遺伝子発現応答は個人によって大きく異なり、放射線に対する反応の個人差を生み出している。本論文では、放射線応答遺伝子の発現量に影響を与える制御因子群を同定する。我々は、放射線によって起こる遺伝子発現量の変化を量的表現型として扱い、遺伝学的連鎖と関連解析を行い、それらの制御因子の遺伝子地図を作製した。これらの表現型の1,200以上で、特定の染色体領域に連関することを示す有意な証拠が得られた。ほぼすべての制御因子がその標的遺伝子の発現でトランスに作用しており、シスに働く制御因子は非常に少ない。トランスに作用する制御因子のいくつかは転写因子であるが、ほかは放射線応答における制御作用が知られていないものであった。これらの結果は、ヒト細胞が放射線にどう応答するのかについて、基礎研究および臨床において理解を深める助けとなる。

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