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構造生物学:コンピューター酵素設計で作られたケンプ脱離反応触媒

Nature 453, 7192 doi: 10.1038/nature06879

天然に存在する生体触媒では触媒されない反応のための新たな酵素の設計は、タンパク質工学における難問であり、また、酵素触媒への理解を試す厳しい試験ともなる。今回我々は、ケンプ脱離反応(炭素からのプロトン移動のモデル反応)を触媒する2種類の触媒モチーフを用いて、最大105の速度上昇と複数回のターンオーバーを示す8種類の酵素をコンピューターにより設計した。変異解析により、触媒作用はコンピューター設計された活性部位に依存することが確認され、高分解能結晶構造から設計は原子レベルに近い正確度であることが示唆された。in vitro進化を応用してコンピューター設計物を強化したところ、kcat/Kmが200倍以上増加した(kcat/Km=2,600 M−1s−1kcat/kuncat>106)。これらの結果は、コンピューターによるタンパク質設計と定方向進化の組み合わせが新酵素の創出の有力な方法であるのを実証しており、将来は多様な有用新酵素を作り出すことが期待される。

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